これまでは瞑想というと、日本においては宗教的であると捉えられる傾向にあり、限られた人間において行われる特殊なものであると考えられてきた感があります。しかし、海外において日本の禅が独自の形でマインドフルネス瞑想として著名人や成功者に普及し、取り入れられると、日本においても逆輸入される形で注目を集めています。とりわけ海外の経営者として成功をおさめた人物で禅思想の影響を受けていた人物として有名なのはアップルコンピュータの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏ではないでしょうか。彼は何度も京都に訪れては心を磨いていたと言われています。世界的な音楽グループ・ビートルズのジョンレノン氏も禅思想に強い影響を受けたと考えられています。
日本においても大企業の経営者も禅や瞑想に取り組んで成功をおさめている方が数多くいらっしゃいます。京セラの創業者、稲盛和夫氏、松下電工（現パナソニック）の創業者松下幸之助氏、ソニーの創業者井深大氏などが有名です。
瞑想は個人的な実践にとどまらず、社内においても取り入れる企業が増えています。
私たち人間は楽しかった思い出よりもどちらかというと過去の失敗や未来の不安といったネガティブなことほど考えることに使う時間が長くなりがちです。
「あの時ああすれば良かった」「なぜあのような失敗をしたのか？「なんであんな不用意な発言をしてしまったのか？」「この先どうなっていくのかな？」
考えれば考えるほどに消耗していく一方ですね。このような状態はつまり、自分自身で不安やストレスを増幅させてしまっているのです。こうした心ここにあらずの状態から抜け出し、心を「今」に向けた状態を「マインドフルネス」といいます。今この瞬間を見つめなさいということですね。ちなみに、似たような言葉で而今という仏教言葉がありますね。
さて、それではマインドフルネスの状態に到達するにはどのようにすればいいのか？
マインドフルな状態を獲得する手段として瞑想が行われます。そのための瞑想法をマインドフルネス瞑想といい、メディアでも一時期度々紹介されていたことと思います。この瞑想を行うことにより、脳を活性化させ、集中力をあげたり、免疫力を高めたり、ストレスをたまりにくくしたり、仕事のパフォーマンスを上げる効果があり、医学やビジネスの世界で大きな注目を集めています。
脳が活性化されたり、集中力が上がれば社員のパフォーマンスが向上しますし、良い発想が浮かんできたり、ストレスが減れば社員同士のコミュニケーションも円滑になり、さらには取引先や顧客とのやり取りもうまくいくのではないでしょうか。先進的な企業関係者が禅やマインドフルネス瞑想を含めた、さまざまな瞑想法を取り入れる理由がわかりますね。
Appleにおいてはスティーブジョブズ自身の実践経験が根付く形で、社内に瞑想専用のルームが用意され、職務時間内に30分間使用しても良いというルールがあるとのことです。
マインドフルネス瞑想を取り入れている企業例（過去の情報であり最新情報はわかりません）
Apple Google Facebook マイクロソフト ゴールドマンサックス インテル マッキンゼー シスコシステムズ LINE ヤフー トヨタ メルカリ SanSan
