気功は、中国で古くから伝わる伝統的な養生法です。気功とは、中国語で「気」と「功」を組み合わせた言葉で、「気」とは生命活動のエネルギー、「功」とは修練や鍛錬を意味します。気功は、ゆっくりと深い呼吸と、体を動かす動作を組み合わせて、心身のバランスを整え、健康を維持する目的で行われます。中国では中医学の経絡理論などと結びついて、健康法として太極拳と同様公園などで広く行なわれてきた。中国映画でよく見かける太極拳と同じぐらい馴染みのある健康法と言うことになりますね。1957年に北戴河の国営気功療養院院長だった劉貴珍が『気功療法実践』を著しました。これが各国で翻訳され、この頃をきっかけとして「気功」という統一された名が世界的に定着したそうです。
気功には、さまざまな種類がありますが、一般的に以下の3つの要素が含まれています。
- 呼吸:ゆっくりと深い腹式呼吸を行います。
- 動作:体を動かす動作を行います。
- 心:注意を集中させたち視覚化したりします。
気功の練習は、身体の姿勢や動きを調整し、深い呼吸とリラックスを通じてエネルギーの流れを促進します。また、瞑想や集中力のトレーニングも行われ、心と体の統合を追求します。
気功の実践者は、エネルギーの循環や調和を改善し、身体の健康と心の平静を促進することを目指します。また、気功は病気の予防や治療にも利用されることがあります。気の流れが滞ったりブロックされたりすると、身体や心に不調や病気が現れるとされており、気功の練習によってそのバランスを回復しようとするのです。
気功にはさまざまなスタイルや派生があり、動的な運動を含むものや静的なポーズを取るもの、手の動きや特定の呼吸法に焦点を当てるものなどがあります。また、気功は健康維持や治療の目的だけでなく、精神的な成長や哲学的な探求を追求する人々にとっても重要な実践法とされています。
ただし、気功の効果や科学的な根拠については議論があります。一部の研究では、気功の練習が身体的な健康や心理的な健康にポジティブな影響を与える可能性があると示唆されていますが、これらの結果はまだ限定的であり、科学的な裏付けが必要とされています。
結局のところ、中国を初め世界的に気功が広まった要因はまずはじめに中国において気功は一定の医療効果を上げてきた医療健康面での功績があったためなんですね。なので、布教活動が禁止されている中国の中でも、気功と言えば宗教的な色彩のものでも容認される傾向がありました。
そのため、中国では、1980年代から気功が急速に広まりました。どんどん広まっていったんですね。しかし、1999年、中国政府は法輪功を邪教として禁止しました。法輪功は、中国で最も人気のある気功の流派の一つであり、中国政府は、法輪功が政治的活動につながることを恐れたため、禁止したと考えられています。
気功は、中国では現在も人気のある養生法です。しかし、中国政府は、気功の政治的利用を警戒しており、気功の活動を規制しています。
いかにも中国らしい感じで広まっていき、中国らしい理由で規制が入ってしまっているといったところでしょうか。
気功を実践していると、以下のような体験が起きるようです。
例えば、50代男性の場合は腰痛に悩んでいました。病院で検査してもらったそうでしたが、特に異常は見つからず、薬も効きませんでした。ある日、気功の講座を見つけて、参加すると気功を初めて体験したときは、あまり効果を実感できませんでしたが、続けるうちに、腰痛が軽くなっていったそうです。今では、気功を毎日行い、腰痛はほとんどないとのこと。
他の体験者は気功を始めてから、睡眠の質が向上し、また、以前よりも集中力が高まったように感じたそうです。
※気功は、健康維持や病気の予防に効果があるとされています。また、ストレス解消やリラックス効果も期待できます。気功に興味がある方は、資格を持ったインストラクターの指導を受けて行うことをおすすめします。